社会福祉法人 調布市社会福祉事業団 なごみ そよかぜ すまいる まなびや ちょうふだぞう すこやか すてっぷ あゆみ


理事長便り
2013/8/5(月)

 今年は、例年になく梅雨明けが早く、7月の中旬頃は、全国各地で猛暑となって連日厳しい暑さが続いていました。夏至の後一カ月程度は梅雨の期間が続き、日照時間が短いのが一般的だそうですが、今年は7月の初旬から東京も太平洋高気圧に覆われ晴れる日が多く、空気が暖められ気温は上昇していました。近年は高温傾向も加わって大気の状態が非常に不安定となって局地的な激しい雨を降らす一方、猛暑日の回数が増えているように感じます。まだまだ厳しい暑さが続きます。入所施設の利用者の皆さんも運動不足になりがちですが、朝晩の涼しい時間に散歩をして、ひと休みひと涼みをしながら水分補給など健康管理に十分注意して体調維持に心がけています。
 先月は、炎天下の中、大好きな高校野球の東京都予選の試合に何度か足を運びました。特に、一回戦や二回戦の試合が好きで劣勢の学校の応援に、つい力が入ってしまいます。甲子園を目指すには無理だとわかる学校でも球児たちが精一杯頑張っています。3年生の中には最後の夏の大会でベンチに入れなかった選手もいるでしょう。下級生と一緒になってスタンドでメガホンを持って大声を出しています。生徒やОB、ブラスバンド・・・応援も一体となって熱い。いくら点差が開いても選手も応援団も一所懸命です。負けても勝ってもすがすがしい気持になれる。選手や応援団に拍手です。
 震災後、被災地の子ども達は3回目の夏休みを過ごしている。故郷を追われ、多くの友達と離れ離れになる等、稀有な体験を重ねている。今年はどんな夏休みを過ごしているのでしょうか、思い出に残る楽しい夏休みであって欲しいです。福島第1原発から近い浪江町の皆さんは原発事故の影響で町ごと避難していて日本全国に分散しています。福島県内だけでも福島市、郡山市、二本松市等30カ所の仮設住宅に分散して居住しているそうです。県内外への避難も余儀なくされている子どもたちは・・・。もちろん今までの学校に通えませんし、新しい土地で生活をし、転校先の学校にやっとなじみ新しい環境の中で頑張っています。昨年8月、二本松市が廃校となった小学校を浪江町に提供してくれました。浪江中学校となり、震災前400人いた生徒の内49人が戻ってきて学んでいます。今年に入ってクラブ活動も本格的にスタートし、バドミントン部の生徒も皆歯をくいしばって練習してきました。対外試合で着るユニフォームも多くの方のご厚意の募金で部員22名のユニフォームが揃えることができました。皆さんの激励を受けて二人の生徒が夏の県中学校体育大会バドミントン競技に出場するまでになりました。明るいニュースです。がんばれ!がんばれ!浪江中学校!選手は校長先生や生徒からエールを受け大会に出場しました。
 障がいをお持ちの方の保護者の殆どの方は、子どもが生まれて間もなく「この子は発達に何らかの障がいがあるのでは?」と心配することから始まります。地域の小児科や保健所などに相談し、専門医の診断を受けるなど、多くの機関を訪れ子どもの障がいを受け入れるまで戸惑い、不安と悩みを抱え、心理的な負担を感じながら療育のために奔走しています。就学期には就学先を決定するため、就学相談から始まり、学齢期は教育と余暇活動の充実のために全精力を注ぐ。学齢期を過ぎれば福祉施設への通所、入所或いは福祉就労のために関係者と相談しながらいろいろな活動を強いられたりします。保護者の方の中には、常に社会に対して負い目を感じ地域で気を遣い、子どものために辛い気持ちを抑えて過ごしています、という方もいます。殆どの保護者の方は、子どもの成長に合わせ休むことなくずっと頑張り続けていて、休むことに自分達が罪悪を犯したと思う気持ちにさいなまれてしまう。「この子の将来はどうなるのだろうか?」「親亡き後の子どもの生活は」という将来への悩み、不安をいっぱい抱いて・・・眠れない夜を過ごす時もあるといいます。
 先月、調布心身障害児・者親の会のお二人から、「障がいを持つ子どもを抱える親の立場から事業団職員に伝えたいこと」をテーマとした事業団の内部研修を実施しました。お二人からは、障がいをお持ちの子どもの生い立ちから今日まで、ご家族が、ともに歩んでこられた道のりを様々な体験を通して、それぞれの表現でお話をしていただきました。そのお話の中で、「職員一人ひとりが利用者と接してほしい」、「日常の中にこそ大切な気付きがある事を忘れないでほしい」、「利用者はいつも心に痛みを持っていることを知ってほしい」、「利用者は、努力しても解決できない、自力では好転できない哀しみを内面に持っていることを承知してほしい」等々・・・、受講した多くの職員からは、障がいを持った子どもを持つ親が悩みと不安を抱え、子どもを施設に通わせているのかを改めて認識し重く受け止め、心を新たに利用者、保護者に対する支援の充実に努力していきますとの感想が寄せられました。職員が気持ちを引き締めて業務にあたる良い機会となりました。
 利用者の皆さんが楽しみにしているイベントのひとつ「なごみなつまつり」が、8月3日(土)に知的障害者援護施設(中庭)で開催されました。当日は、提灯の灯りの下、家族やボランティアの皆さんと一緒に盆おどりの輪がつくられ、近隣施設のお客様も来場され楽しい夏の夜を過ごすことができました。
 まだまだ暑い夏が続きますが、「初めて秋の気立つがゆゑなれば也」もうすぐ暦の上では立秋(8月7日)となります。なんとはなしに秋の気配が現れてくる頃です。

                         理事長  中根 義雄




 
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