社会福祉法人 調布市社会福祉事業団 なごみ そよかぜ すまいる まなびや ちょうふだぞう すこやか すてっぷ あゆみ


理事長便り
2013/11/5(火)

 此のところ日一日と冷え込みが厳しくなってきました。先月の初旬は、10月とは思えない夏っぽさが残る真夏日となる地域がでるなど、西日本から関東で季節外れの観測史上最も遅い真夏日が観測され、日本各地で夏が戻ってきたような暑さとなりました。10月16日には、台風26号の直撃で、東海から東北の広範囲に被害が及びました。特に、伊豆大島では多くの人や家をのみ込んだ土砂災害が発生し、多数の死者、行方不明者を出しました。災害に見舞われた皆様にお見舞い申し上げ、亡くなられた方々へご冥福をお祈り申し上げます。
 極端な高温や大雨、小雨は異常気象と云えるかもしれませんが、地震や津波等がいつ自分の住む地域を襲うか分からないように、高温、豪雨、竜巻など、極端な気象現象がいつ身近で起こってもおかしくない時代になってしまいました。これからは、この暑さや大雨など当たり前になるのでは、間違いなく私達や動植物など生物にとって好ましくない地球環境に変化しているのだろうか・・・。体もなかなか気候に順応しづらくなってきています。異常気象が当たり前とならないことを願っています。
 長かった今年の残暑のあと、秋も深まり施設の内庭の千両の実もオレンジ色から段々赤くなってきました。まもなく満天星(どうだんつつじ)も少しずつ色づき始め美しい紅葉がみられるかと思います。
 今朝は青空が澄んだ秋晴れのすっきりした気持ちの良い朝です。残暑の汗を拭いている間にすっかり季節が変わりました。
 花粉症の症状が厳しかったので暫く散歩を控えていましたが、先日、ゆったりと秋の景色を楽しむために出かけました。近くの里の風景が残った丘陵を歩きながら、自然の環境の中に身を置きながら里の秋を満喫できました。田んぼの刈り取られた稲の根株から蘖(ひこばえ)の薄緑が優しげにしています。田んぼのあちこちから白い煙がなびいています。稲を刈ったあと、田畑の害虫を防いだり土を良質にするため燃やすそうで、趣きがあってこの季節ならではの感じもしますが、住宅事情や環境問題で昔と違って田畑を守るのも大変だそうです。時代とともに変化していくのも良いものなのか悪いものなのか・・・。
 稲刈りが終わった田んぼにだんだん秋の夕暮れがせまってくる里の風景は、自然と一体となって生きつづける暮らしが見られます・・・。

 岩手県陸前高田市ほど注目されていませんが、福島県南相馬市の鹿島区の右田浜にも[奇跡の一本松]が残っています。同じ南相馬市の小高区の井田川海岸には、一本がまっすぐ伸びもう一本は寄り添って見える「夫婦松」が残りました。陸前高田など津波被災地に残った松が塩害で次々に枯れていく中、今も両地区の松は葉が緑で元気な姿を見せています。
 南相馬市の海岸近くはかつて緑の松林が広がっていました。震災時、高さ10メートル以上もある松林を乗り越える津波が襲い、家屋や田畑は流失し多くの住民の方が亡くなるなど大きな被害が出ました、今は瓦礫と家の土台だけが残る状態となっている地区に生き残った松の木を「南相馬の住民とともに、いつまでも力強く生きてほしい」、「震災に負けない、地区のシンボルになってほしい」、「みんなでこのように寄り添いながら生きていこう」、「この地区を忘れないでほしい」と津波に耐え力強く立つ松の木が、復興のシンボルとなるよう地元の方々は願っています。

 10月23日に平成25年度第5回臨時理事会が開催されました。第4回の臨時理事会でご審議いただいた、重度重複障害者ケアホームの建設工事の競争入札を実施した結果、工事落札業者が決定し工事請負契約を締結する必要があることから、臨時理事会を開催いたしました。建設工事の契約につきましてはご承認をいただき、これを受けて、設計会社、工事請負業者と事業団との工事計画の打合せを行ない工事の準備を始めたところです。

 障害者総合支援法で2014年度に施行されるグループホームとケアホームの一元化、重度訪問介護の対象拡大を検討していた厚生労働省の「障害者の地域生活の推進に関する検討会」(座長:佐藤進・埼玉県立大名誉教授)で先月4日、議論がまとまりました。グループホームに関しては「小規模化を明確化にすべき」などが懸案事項とされました。
 グループホームは「地域の中で普通に暮らしたい」との障害者の方々の思いを実現するために誕生した経緯があります。「地域の中にある」、「入居者一人ひとりが普通の暮らしを実現する」ために、小規模であることが大切にされてきました。私たち事業団もグループホームは、入居者の家であり、生活の場と考えています。入居者一人ひとりが自分の考えを出しながら、自分の生活をつくっていくことが原点であり集団生活の場ではありません。決まった日課に従って、同じ時間に同じことをしてきた入所施設の生活とは異なり、一人ひとりのライフステージに応じた適切な支援のもと安心で豊かな暮らしが実現できる事を目指します。生活の主体者は入居者ですから、スタッフである世話人や生活支援員が支援しやすいように、生活ルールを一方的に決めたりしないで、入居者自身が自分で自分の生活を考えて、どうすればいいか決めるように援助していく姿勢が大切です。入居者の皆さんが個別の日中活動を過ごしてグループホームに戻り、一日の出来事を話し、耳を傾けたり、食事のこと、お風呂の順番を決めたり、そうした当たり前の家庭的な毎日の暮らしや環境は、小規模であることから実現できるものと考えています。

                    理事長 中根 義雄




 
前後の記事