社会福祉法人 調布市社会福祉事業団 なごみ そよかぜ すまいる まなびや ちょうふだぞう すこやか すてっぷ あゆみ


12月理事長便り
2014/12/1(月)

 今年も残すところ1か月となりました。今日は雨の一日となりそうですが、明日から年末に向けて寒い日が続きますので、インフルエンザや風邪の予防対策をしっかりとって体調を崩さぬよう心掛けていきます。季節の歩みは早いものでこのところの寒さで施設周辺の桜の紅葉もピークを過ぎ落葉を始めています。先日、都心の紅葉スポット明治神宮外苑の銀杏並木を散策しました。銀杏も黄色く色づき、美しい黄金の並木道となっています。並木道(300m)の両側には146本、9m間隔で植えられ、青い空に向かって銀杏の木が太陽の日を浴びて黄金色に輝いていました。この銀杏並木は、苗園(現在の神宮内)で年々樹形を整え、樹高6m内外に成長していた1600本の樹から選んで大正12年(1923年)に植栽したそうですから、並木は90年、樹齢は100年以上となります。4年に一度、葉のない1月から3月にかけて円錐三角に樹姿を整える作業を行います。この並木の造園を手掛けた方は、日本の近代造園の師と言われた折下吉延博士(昭和41年86歳で逝去)で、欧米の庭園の調査視察も熱心に行い、絵画の造詣も深かったようです。緑量も豊富で気品高く、公害にも強いということで銀杏が選ばれ、青山口から絵画館に向かって道路も下り勾配に設計されています。銀杏も樹高順に勾配に沿って植えられ、現在では樹高の一番高い樹は約28mに成長しているようです。
 並木の美しさは絵画の手法にある遠近法の活用が用いられ、奥正面に立つ聖徳記念絵画館との景観美が素晴らしく、青山通りから眺める景色は絵画のように美しい風景が広がる黄金色のトンネルとなり、この季節、多くの方が訪れ散策やカメラを向けたり、絵描きを楽しむ都心の紅葉スポットとして人気があります。
 先日(11月17日)、NPO法人調布市心身障害児・者親の会の皆さんと話し合いが行われました。毎年この時期に事業団の各施設が行っている事業に対して、皆さんから運営の方針や考え方等のご質問をいただきそれに対してお答えをしています。親の会の各グループからのご意見ご質問をしっかり受け止め、今後の事業に反映させながら信頼関係を築いていきたいと思っております。
 参加された皆さんの心の中にはいろいろと語りつくせない思いもあると思いますが、皆さん子どもに対して真剣に向き合い自らを犠牲にして子どもに寄り添っている様子が伺えました。子どもの生活の基盤を整え、生活のスタイルを作り上げていく最も身近な支援者です。私たちは、そういった皆さんの姿や様々なご意見ご要望を受けて、ヒントを得そして、改善していこうと思っています。これからも発達や障害に関する指導技術や障害についての知識、サポート等々、各事業の運営、目標について理解と協力を得ながら、お互い連携をはかり相互理解を深めてまいります。
 11月18日(火)、大槻・内野両監事により事業団の業務の執行状況及び予算の執行状況について、平成26年度第2四半期事業報告書、会計報告書に基づき監事監査が実施されました。業務、予算執行状況ともに適正に処理運営されていることの確認をいただきました。11月21日(金)には平成26年度第3回理事会・評議員会が開催され、26年度補正予算(第1次)の審議と要綱の制定及び規程の一部改正等4件の報告を行い何れも承認されました。要綱の制定については調布市社会福祉事業団ジョブ・リターン制度に関する要綱の制定についてご報告申しあげました。このことについては、事業団職員が育児や介護、配偶者の転勤、その他家庭の事情等の理由で退職した職員が、再び事業団に戻って就業することを希望する再雇用制度を要綱で定めたものです。事業団の大事な財産は働く職員、すなわち「人財」です。利用者の皆さんが日々、地域や施設で安心安全に過ごし感動や喜びを分かち合い、地域社会で暮らしていけるよう支援していくためには、より多くの「人財」が事業団で力を発揮していかなければなりません。それぞれの職員が積み重ねた経験を一度退職しても、再び、事業団で発揮できるよう要綱の制定をするものです。
 多様な専門職集団の職場にとっては、即戦力が抜けることの影響は相当にあり、専門性の維持を図ると同時に、雇用の質の向上と安定、定着率をたかめる必要が生じています。出産、育児、家族の介護などにより働き続けることが難しくなった時でも「復帰できる職場環境」を整備していく事を考慮して制定したものです。事業団を支えてくれる優秀な「人財」を確保すると同時に働く職員のモチベーションを上げていく事につながればと考えています。 
 先月(11月3日)、大阪市で開催された日本らんちゅう協会の第59回全国品評大会で東日本大震災、福島第1原発事故後、福島県樽葉町で奇跡的に生き残った5匹のらんちゅうの子の血統魚「木戸川」が最高賞に次ぐ壱等賞に輝きました。「美しい福島を忘れてほしくない。金魚の力で福島を元気にしたい」。金魚の一種「らんちゅう」の飼育を30年以上続ける福島県樽葉町の松本さんは、小学生の頃かららんちゅうを飼い始め、品評会の常連となっていました。原発事故前は自宅に30個ほどの大型水槽を置いて、稚魚や幼魚を含め約4000匹を飼育、夢だった金魚店を開店しようと考えていたとき震災に遭い、原発事故がすべてを変えてしまったといいます。手塩にかけてきたらんちゅうを残したまま避難を余儀なくされ、一時帰宅が許されたのは11年5月、汚れきった水槽の中でらんちゅうはほとんどが死滅しており、泣きながら死んだらんちゅうを回収していたその時、エサもない汚れきった水槽の中で生き延びている5匹のらんちゅうを見つけました。「奇跡と思った」松本さんは、一旦は諦めかけたが、避難先のいわき市で飼育再開に情熱を燃やし、愛好家の仲間の力を借りながら飼育のための水槽などの設備を整え、奇跡に生き延びた5匹のらんちゅうから子、孫へと順調に繁殖に成功し500匹にまで増えました。今回の品評会には壱等賞の「木戸川」の他にも子や孫にあたる計5匹が入賞しました。松本さんは入賞の喜びをかみしめ「生き残った5匹の子や孫が奇跡を起こした」「復興に向けて頑張っている姿を見せたい」松本さんは自分が育った古里にちなんで名づけた血統魚「木戸川」、「天神岬」、「大滝」など、名所の名前を背負って活躍するらんちゅうを通し、いつか樽葉町に戻ってと復興への思いを重ね再生を願っています。
                             理事長 中根義雄




 
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