社会福祉法人 調布市社会福祉事業団 なごみ そよかぜ すまいる まなびや ちょうふだぞう すこやか すてっぷ あゆみ


5月理事長便り
2015/5/1(金)

 ゴールデンウィークの前に、久しぶりに爽やかな春風に押されて多摩川をウォーキングしました。ゆるやかに流れる多摩川に日の光が反射し水面をきらめかせていました。初夏を思わせるような日が続き、水鳥も穏やかな流れに乗ってゆったりと楽しんでいました。
 私が住んでいる日野市の市の鳥は「カワセミ」です。私は、近くの多摩川や浅川、程久保川などでカワセミをウォッチングするのを楽しみにしています。多摩川や浅川といった大きな川よりは,程久保川や田んぼや住宅地を流れる用水路など小さな川でよく見かけます。「ピイッ、ピィッー」と啼きながら飛んでいるので、鳴き声がわかれば容易に美しい色の姿を探すことができ、立ち止まって静かにそっとその姿を追い、ときには川辺の小枝から小魚を狙って水中にダイビングする姿も見ることができます。身近な小さな川でも変化に満ちた風景がウォーキングの無聊を慰めてくれます。比較的空気が澄んで富士山もくっきり見えます。土手の上から見える百草園の丘陵地帯も一年中で一番美しい新緑の季節を迎えています。冬枯れの枝も芽吹き,柔らかい新緑におおわれていた丘陵も緑が日に日に深まり、木もれ日の下をさわやかな風が通り抜け、自然の生命力が溢れた清々しい散歩道に野鳥たちのさえずりが聴こえてきます。
 27年度が始まり1か月が経過しました。年度当初は、新入職員、人事異動等もあり、事務・事業の運営は必ずしも円滑には進捗しないこともあります。職場によってはこの時期でようやく落ち着き、事務・事業が適正に執行されていきます。人事異動によって不満を抱く人もいれば喜ぶ人もいて、人によってそれぞれ違うしメリット、デメリットももちろんあります。人事異動の目的の一つには職員を成長させるという視点もあると思っています。同じ職場で同じ仕事を続ける事は専門性も高められるし、職員間のコミュニケーションも図れ、業務が円滑に安定して運営される良い面がある反面、いわゆるマンネリ化という、考えや行動パターンが気づかないうちに似てきてしまい、新しい発想、考え方が出てこなくなり業務の改善が図りにくくなる悪い側面があります。職場の活性化や職員の成長の伸び率も下がっていく傾向もあり、関連職務を経験することはむしろ専門性を深めることに貢献するのではないだろうか、個々のキャリアの中で幅広く多様な仕事を経験して見る時期と一つの仕事をじっくり向き合う時期とがあった方がいいと考えています。
 先月28日(火)、各施設の施設長・副施設長・主任が一堂に集まり定例会が開催されました。事業団が信頼され成長していくには職員全員の底上げが不可欠です。一部の職員がいくら頑張っても、職員全員が「事業団が今、どのような状況なのか」という視点を持って常に向き合っていく必要性を認識していなければ今後の成長はうかがえません。職員一人ひとりが事業団の経営理念を念頭に置きながら、利用者に寄り添った支援を心がけるよう、これからも大切な人材を育てていく事が事業団の盛衰を決める事になると思っています。
 先月2日(木)デイセンターまなびやでは平成27年度新入所者の入所式が行われました。今年度はAさん(都立府中けやきの森学園高等部卒業)一人の入所となりましたが、利用者、ご家族、職員一同でAさんの入所を心から歓迎いたしました。入所から1か月を経過し、まなびやで多くの仲間と触れ合い、興味や可能性に沿った個別活動やグループ活動を楽しんでいます。当初は、環境の変化もあり落ち着かない様子でした。これからもまなびやの明るく和やかな雰囲気の中、充実した日中活動を通して心身ともに豊かな地域生活を過ごしていただければと思っています。
 一方、子ども発達センター通園事業あゆみでも4月13日から6人の新入園児が元気に登園を始めています。発達に何らかの遅れやかたよりがあるお子さんとそのご家族のため、一人ひとりの子どもの必要に応じた療育と子育てを支援しています。新入園児のお子さんも個別プログラムや集団療育により、発達に応じた遊びや様々な活動を通してコミュニケーション・社会性などの社会的能力、認知能力、運動能力の育ちを日々身につけていきます。未だ入園から1か月にも満たないですが、不安もなくなり在園児と一緒に通園バスから降りて、元気な声で室内を活動する子どもたちの成長の様子は、寄り添って支援する職員にとってもやりがいと誇りをもたらし、この仕事についてよかったと感じさせてくれます。お子様が家庭や地域の深い愛情につつまれ、いきいきと成長できるよう職員一同しっかりと支援して参ります。
 あの震災から4年が経ちました。時の経過とともに、道路や施設、交通などのインフラ復旧は進み日常を取り戻すことができている半面、まだまだ困難な状況の中、復興への長い道のりを覚悟しながらも必死に頑張っている人が多くいます。こうした被災地での復旧・復興の支援活動を行うと同時に、被災者の皆さんの心のケアや精神的な支えとなって活動されている多くのボランティアの皆さんがいます。前にもご紹介しましたが、2011年3月11日の東日本大震災の被災地・陸前高田市で津波到達地点に桜を植樹している「桜ライン311」のボランティア活動があります。東日本大震災を風化させないための植樹活動で、桜を植えることで、同じことの繰り返しが無いように津波災害を後世に伝えたいという思いで、陸前高田市の方々が中心となりNPO法人を立ち上げ活動しています。桜の植樹の目標は1万7千本。とても長い道のりです。陸前高田市内170kmにわたる津波到達ラインに10mおきに桜を植樹し、ラインに沿った桜並木をつくることで後世の人々に、津波の恐れがあるときには、その桜並木より上に避難するよう伝承してくことを活動として、毎年多くのボランティアの皆さんが「桜」を通じて東北の被災地とつながりをもち一緒に植樹に参加しています。苗木は、津波の到達ラインに植採するので、その多くは傾斜等険しい土地であるため、塩害や冷害に強く、害虫等に強い苗木を選定し、「ソメイヨシノ」、「オオシマザクラ」、「ベニシダレザクラ」等々、様々な品種となっています。前年(平成26年)までに植樹されている767本の中には、毎年、強く美しい桜の花をさかせ、被災地に春の訪れを告げてくれています。

                            理事長 中根義雄




 
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