社会福祉法人 調布市社会福祉事業団 なごみ そよかぜ すまいる まなびや ちょうふだぞう すこやか すてっぷ あゆみ


6月理事長便り
2015/6/1(月)

 先月,14日(木)に平成27年度第1回調布市社会福祉事業団監事監査が実施されました。平成26年度調布市社会福祉事業団の理事の業務執行の状況及び財産の状況について監査を受けました。事業報告書(案)及び財務報告書(案)については,いずれも財産の状況を正しく示し不整の点はないと認められました。
 5月22日(金)には平成27年度第1回調布市社会福祉事業団評議員会・理事会が開催されました。平成26年度の事業団の事業報告書(案),財務報告書(案)の議案審議と監査報告を受け報告事項をはじめ,この5月31日で2年間の任期満了となる評議員・理事・監事の選任の議案も承認いただきました。
 平成26年度は,今後の事業団経営の道しるべとなる中長期計画の初年度でもありました。障害者支援での事業においては,重度重複障害者グループホーム「みつばち」を開設いたしました。子ども施策の分野においては中長期計画を前倒し取り組んだ,学童クラブ・ユーフォー事業のプロポーザルに参加し受託が決定いたしました。子ども家庭支援センターすこやかでは,子どもの虐待防止や子ども家庭における相談支援など増加傾向にあり,関係機関との緊密な連携を保ちつつ,問題の解決を図り,虐待の防止・早期発見,緊急対応など適切な対応を図りました。障害者地域生活・就労支援センターちょうふだぞうでは,相談支援や移動支援に求められる内容が拡大してきており,利用者・家族にわかるよう丁寧な対応を心がけました。地域生活支援事業の拡充もあり,障害福祉サービス利用者にサービス等利用計画を立てることが必要になり,新規のサービス利用計画の作成依頼が増加した事など説明させていただきました。今後も,経営理念を念頭に利用者の皆様のニーズに合わせたサービスの提供と地域に根ざした信頼できる福祉施設として,職員が利用者に寄り添っていけるよう工夫を重ねようと考えています。
 本日,6月1日(月)午前10時から第2回調布市社会福祉事業団理事会が開催され当法人の役員が決定いたしました。任期は平成27年6月1日〜29年5月31日までの2年間です。理事長中根義雄,副理事長吉田育子(調布市福祉健康部長),常務理事小笠原寿弘(事業団事務局長)が務めることになりました。宜しくご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます。
 最近,暮らしの中から季節感が失われつつあるのを感じます。かつては,もっと豊かな自然の風物にも恵まれ,食べ物や植物を通じて季節の移り変わりを身近に感じていました。
 今では私たちの食生活は極めて豊かになり,季節になじみの深かった野菜や果物も一年を通して店頭にあふれ,日々私たちの食卓を飾ってくれています。例えば「いちご」です。9割はハウスなどで生産され,昔ならば初夏の味覚だったのが冬の時期にも店頭に出ています。これは,農業生産技術の進歩でハウス栽培を利用した施設園芸の進展が大きな役割を果たしています。東北一のいちご生産地として知られている,宮城県南部の亘理町・山元町の2010年産いちごの出荷額は33億円を誇っていました。震災により380人いた農家の95%が被災し,津波で家やいちごを栽培するハウスは流され,瓦礫と塩害でいちご畑は壊滅的な被害を受けました。いちご農家の平均年齢70歳以上,後継者不足も深刻です。家や家族を失い,仮設住宅に暮らし,塩水湖のようになってしまった農地を目の当たりにし,「もうだめかー」,「これからどうすべか」誰もが肩を落とし,いちご農家の方は,機械や設備をそろえる費用の負担も重く3分の1は復帰をあきらめ,この土地を去る人もでてきました。被災農家のひとり宍戸孝之さんも,津波で家屋が浸食,いちごハウス,トラックや農機具などすべてが流され,瓦礫と塩害で荒廃したいちご畑を前に「途方に暮れた」。だが,ある時,荒廃した汚泥の間から,いちごの新芽が伸びているのを見つけました。「いちごは強いもんだな」,昭和30年代初期から約50年,いちごを家業とする宍戸さんは,「東北一のいちご生産地」を自負し,亘理町のいちごを絶やしてはならないという使命感に突き動かされ,海水に浸り,塩を含んだヘドロまみれの土壌を掘り返し,水を流し込んで土壌の塩分を取り除く作業を根気よく続けました。重労働でしたが,ボランティアの人たちや多くの人の助けの中,2011年9月,元のいちご畑でいちごの栽培を再開しました。復帰をあきらめていた多くの被災農家はまぶしい思いでその姿を見つめていました。2012年3月には,亘理町と山元町のいちご栽培の本格的な復活のため,国の「被災地域農業復興総合支援事業(復興交付金)」を活用することができ,約40haの「いちご団地」の建設を決定。工事は急ピッチで進められ2013年9月には,亘理・山元両町合わせて161棟の栽培用大型ハウスが竣工しました。亘理町吉田浜地区には,東北最大級となる「亘理町いちご団地」が完成し,栽培農家は「また,いちごをつくれるのが何よりうれしい」と語り,新たな出発に向けて農地を再建したり,新設の共同大型ハウス「いちご団地」を利用したりして再出発。約6割にあたる211人の農家が2013年11月に本格的な出荷を再開しました。いちご生産の競争相手でもある栃木県の生産者が無償で譲ってくれた苗「とちおとめ」,地元に残っていた宮城県産オリジナル品種「もういっこ」の苗と併せ,耕作放棄地などで苗を育成,整備した「いちご団地」のハウスなどに定植するまでにこぎつけたいちご農家の方々は,国の制度を活用できたこともありますが,うれしかったのはライバル産地からの応援,そして一緒に土にまみれてくれた多くのボランティアさんたちの元気と力,そして何より「負げねえぞ」といういちご農家の人々のやる気,本気が,やっぱり一番かなと笑顔で語っておられました。既にピークも過ぎたハウスの中では,まだいちごの花が咲き代わりながら収穫が続けられ,いちご農家の皆さんは震災以前のように元気な表情で作業をしています。この春も収穫量は多く,“復興の春”となったのではないでしょうか。
 先週は暑い日が続きました。初夏を通り越して真夏と言った感じです。5月として東京で25℃以上の夏日が,今年が観測史上最も多い5月となったようです。東京の観測記録が残るのは,明治8年(1875年)だそうですが,18日が最高でしたが先週で19日目となり記録を更新しました。一方で,東京で5月の平均気温が高かった年は,何れの年も夏の7月,8月は暑さが続かない傾向が出ています。一方気温が平年を下回るような年にも大規模な大雨災害の可能性もある様なので気になるところです。
 これから梅雨の季節を迎えますが,まだまだ先のようです。日差しが強い季節,援護施設なごみの前にある,すずかけ(プラタナス)はのびのびと育ち,見上げると枝を広げ大きな葉っぱの深い緑のシルエット,落ち葉の季節,大きい枯葉が舞う時期は処理が大変で邪魔物扱いにされてしまいますが・・・,古く神話の時代にも親しまれ,プラタナスの木の下で医学や哲学を論じていたといわれ,今でも医学部のキャンパスなどでは,プラタナスが植えられているところが多いそうです。今日も真夏日,すずかけの木陰の優しさがうれしい季節となりました。援護施設の利用者の皆さんも,暑い中,熱中症対策を万全に元気に明るく健康な日々を過ごしています。

           理事長 中根義雄




 
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