社会福祉法人 調布市社会福祉事業団 なごみ そよかぜ すまいる まなびや ちょうふだぞう すこやか すてっぷ あゆみ


7月理事長便り
2015/7/1(水)

 平成27年の折り返しの7月1日、雨の日のスタートです。梅雨明けも間もなくかと思いますが、蒸し暑い日が続きます。先日、雨上がりの日、雲間から時折顔を見せる太陽に誘われて、近くの百草園の丘陵と乞田川の川べりを歩いてみようと出かけました。雨上がり、この時期の丘陵は蒸し暑くてシャツも汗でぬれ少々根性がいりました。時折、大きく枝葉を広げたケヤキやクヌギの木の下で汗をぬぐい一休みです。涼風が爽やかに通り抜け、ひと時の涼しさに噴きでた汗も引きはじめます。ぼんやりとして枝にとまったトンボや飛び交う蝶をしばし眺めながら、遠くから聞こえるウグイスの鳴き声、その声に負けまいと近くの林から姿は見えませんがホトトギスでしょうか「ケキョキョケキョキョ」静かな森の中で激しく鳴く声は結構うるさく感じます。ホトトギスは他の夏鳥と違って毎年同じ時期にやってくることから、昔からホトトギスの渡来は田植えを始める合図とされていて、待ち遠しい夏の到来を告げる渡り鳥です。ホトトギスは東南アジアから晩春に渡ってきて、山林などで自分では巣をつくらずウグイスなどの留守を狙って他の鳥の巣に卵を産み付け、抱卵と子育てをウグイスなど他の鳥を仮親に託す習性をもつ托卵行動をするそうで、驚くのはヒナで生まれて直ぐウグイスの卵が有れば巣から放り出す荒業をやってのけるそうです。結果悲しいかなウグイスは自分の体よりも倍近い大きさに成長するホトトギスを育て上げることになります。ホトトギスは親子そろって狡猾な鳥のようでウグイスにとってはいわば宿敵です。ホトトギスはウグイスの気持ちを知ってか知らずか、相変わらず騒がしく鳴声を張り上げています。
 平成27年度も第1四半期が終わり、7月は平成27年の折り返しです、この間、事業運営につきましてはほぼ順調に進捗しています。調布市の事業を受託している事業団は、市の受託費を法令順守のもと適正に運用しているのか、利用者の方へのサービスの質の向上が図られているのか等々、事業団経営の透明性は常に求められています。開示できる情報は広く関係者に提供し、事業が適正に行われていることへの一層の理解を深めていく事も必要になっています。機会あるごとに職員には、事業団の理念や方針を共有し徹底していく中で、それぞれの職責や職種による責任や役割を明確にして、利用者の皆さんをしっかりと支援するよう努めております。
 7月7日は七夕、事業団の各施設では七夕の準備も始まりました。援護施設なごみの玄関に入ったホールにも笹に折り紙で作った輪飾りや鎖、ぼんぼり等が飾られ、これから利用者の皆さんや職員が様々な願い事を短冊にしたためます。皆さんの願い事がかなうといいですね。伝説では年に一度、織り姫星と彦星が天の川を渡って会うことができる日ですが、星を眺めることが少ない方にとっては良い機会です。梅雨の真っただ中ですが東の空に天気が良ければ見つけることができます。一方、この時期、明るさが残った夕方、西の空に金星と木星が輝いている様子はとてもきれいです。今回のような大接近を西の空で見やすい高さで観察できるのは、8年後の2023年3月2日だそうです。梅雨の合間の晴れた日の夕方、夕焼けもきれいですが西の空にとても目立つ二つの星をぜひとも楽しんではいかがでしょうか。
 先月、山口県で社会福祉法人が運営する知的障害者施設の元職員が利用者に対する暴行容疑で逮捕されました。逮捕容疑は、昨年2月、施設内で作業していた通所利用の男性に対し暴言を浴びせながら胸元をつかんで体を揺さぶり、頭を数回平手打ちした疑いによるもので、元職員は容疑を認めています。福祉施設での利用者に対する虐待や暴行行為が後を絶ちません。過去に私どもの通所施設内でも利用者の行動に対し平手打ちする虐待行為がありました。虐待の発生は、虐待をしている職員、虐待を受けている利用者の方にも自覚があるとは限らない、虐待者が、「指導・しつけ・教育」の名のもとに不適切な行為を続けていることや、虐待を受けている利用者が、言葉が上手く喋れないとか、そういうコミュニュケーションが苦手など、自身の障害特性から自分のされていることが虐待だと認識していないこともあります。自己表現がなかなか難しい利用者にとっては、一時的に混乱してもクールダウンを図る対応も厳しいときもありますが、支援を受けるべき職員からの虐待行為・暴力行為はあってはなりません。こうした事件が起きると障害者を支えるご家族に不安と不信感を与えてしまいます。今回の事件を他山の石と捉えるのではなく、職員一人ひとりがこうした被害を広げない、繰り返さないために、障害者が虐待されていることに気づいたら、速やかに通報すること、早期発見、早期通報そして相談してもらう事が虐待の深刻化を防ぐ事につながります。障害のある方への理解を深め、障害のある人が地域の中で尊厳を持って暮らせる社会を実現するためにも、施設内は勿論、地域ぐるみの早めの対応や支援が必要です。先日、施設長・副施設長の定例会議の中で、教訓を生かして職員一人ひとりが共通の認識に立って改善を図りながら再発防止に努めるよう注意喚起をしたところです。
 私は東日本大震災(平成23年3月11日PM2時46分)が起きた翌月、平成23年4月に理事長に就任して本年で5年目を迎えます。東日本大震災から4年、この間、震災報道は様々な形で私たちに被災地の現状を伝えてきましたが、時間が経つにつれ震災報道も激減し、被災地の実情を知るすべがなくなりました。被災地の方々は「津波の恐ろしさを伝えること」、「忘れられないためにどうすればいいのか」大事な情報が置き去りにされ、被災地への関心が徐々に忘れられている事に戸惑いを見せています。震災により被災地の皆さんの生活が一瞬にして奪われた現実や被災地の方々がどのように動き、どういった意識を持っていたのか、現状や取り組みなど、震災の経験から得た学びや教訓を少しでも多くの方に知ってもらい、被災者支援や復興支援、防災などに高い意識を持つことが必要かと思います。日常の生活、仕事に追われていると意識は次第に薄れていくものです。時間の経過とともに常に指摘されている「震災を風化」させないこと、普段の生活の中で意識して後世に伝えることが大事だと思います。ある方からは何時までも被災地の出来事を載せていると指摘されましたが、「震災を風化」させてはいけないという思いから、被災地の様々な出来事など毎月の理事長便りに掲載させていただいています。

                       理事長 中根義雄




 
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