社会福祉法人 調布市社会福祉事業団 なごみ そよかぜ すまいる まなびや ちょうふだぞう すこやか すてっぷ あゆみ


8月理事長便り 
2015/8/3(月)

 先月、7月26日(日)、高校野球西東京決勝戦をテレビで観戦していたところ速報のテロップが流れた。東京・調布市の住宅街に午前11時頃、軽飛行機が墜落した。住宅と車が燃えているほか、逃げ遅れた人がいるとの情報が流れ映像が映し出された。黒煙や火柱が高く立ち上がり激しく炎上している住宅、焼け落ちた住宅の鉄骨や飛行機の尾翼が見るも無残に・・・、事故の被害状況の惨憺さが見え衝撃と恐怖が広がった。
 先ずは、亡くなられた方のご冥福をお祈りするとともに被災された方々に心からお見舞い申し上げます。一日でも早く安心かつ平穏に生活できる環境にもどりますよう心よりお祈り申し上げます。
 私は調布飛行場滑走路の南側に一時期住んでいたことがありました。住み始めの頃は騒音と安全面が気になり不安でしたがそのうち慣れてしまい、飛行機の離着陸はいつも家の真上を飛んでいるのが日常風景でした。セスナでも大きな飛行機の騒音には時折驚くこともありますが、飛行機が離陸して屋根の上をまっすぐ南に向かって上昇していく光景は見慣れていました。小型飛行機による事故は離着陸の失敗や山中や水田への墜落事故もたまに報道され、現実に1980年8月には、調布飛行場を離陸した小型飛行機が近くの調布中学校の校庭に墜落し、操縦士と同乗者の二人が死亡する事故が起きていることもあり、いつか事故が起きるのではと心配していたことが現実になってしまった。飛行場周辺は住宅密集地で、学校や病院、福祉施設もあり事業団の施設も多くあります。原因究明や再発防止策の徹底を早期にはかり、運航の安全管理と強化を望むものです。
 7月の終わりから8月にかけて、週末ともなればあちらこちらで花火大会や盆踊り大会などが開催されています。猛暑日が続く8月1日(土)、知的障害者援護施設なごみでも恒例の「なごみなつまつり」が援護施設の中庭で開催されました。当日は、提灯の灯りの下、利用者とそのご家族、地域の方々とたくさんのご参加により賑やかに行われました。「なつまつり」は、利用者の皆さんが楽しみにしているイベントのひとつです。毎年、多くのボランティアの皆さんが盆踊りや太鼓に参加して下さり暑い「なつまつり」に華を添えてくれました。また、親の会やボランティアの皆さんや職員が、冷えた飲み物や「焼きそば」「焼き鳥」「フランクフルト」「かき氷」の模擬店を出店しています。利用者の皆さんは暑い夜空で提灯の灯りの下、利用者本人が好きな食べ物をチケットと引換えることができるのでそれも楽しみのひとつです。普段と違った雰囲気でご家族やボランティアの方々、職員と一緒に飲食するので格別おいしく感じていたのではないでしょうか。当日は夜になっても暑かったです。夏ですね、じっと立ったまま盆踊りを眺めているだけなのに、じっとりと汗ばんできます。利用者の皆さんは、この日、お披露目した踊りは、毎週月曜日に真夏や寒い日にも一年間練習してきました。はじめは緊張していた顔も、聞きなれた音楽と太鼓に合わせて踊り始めるとニッコリ笑顔になって、とてもお似合いの色とりどりの浴衣や甚平さんを着て踊っていました。今年もたくさんの方々に「なつまつり」の運営にご支援ご協力していただきました。事故もなく無事楽しく実施できましたことに感謝を申し上げます。ありがとうございました。
 今月は、子ども発達センター通園事業「あゆみ」、子ども家庭支援センター「すこやか」の他、学童やユーフォーでも工夫をしながらそれぞれ施設で夏祭り等イベントが開催されます。今月末(30日)には障害者地域生活・就労支援センター「ちょうふだぞう」の利用者の皆さんが職員と一緒に「調布よさこいまつり」に参加、おそろいのハッピを着て大迫力のよさこいを披露します。是非、沿道からあたたかい応援を宜しくお願いしま す。
 援護施設なごみの利用者の皆さんのなかには、「なつまつり」が終わるとご家族のもとに帰れることを楽しみにしている方もいます。年々、事情は異なりますが自宅に帰省される方、帰省する滞在期間も減ってきてはいますが、それでもにぎやかだった施設内も少しさみしい気もします。職員は自宅に帰らない利用者の皆さんのためにも楽しい行事を準備して、常に利用者の健康と安全を大切に笑顔で支援しています。
 東北の各県では東日本大震災で大きな被害を受けた沿岸部に、野菜生産のハウスを大規模に建設する園芸団地構想を進めています。津波による農地の冠水で多くは海水に浸かり、農作物だけでなく農地そのものが使えなくなる塩害が広範囲で起きてしまいました。塩害や瓦礫の除去以外にも液状化現象で農地が使い物にならない地域もあり、農地の復活は程遠く農業そのものが成り立たない状態でもありました。塩害や油などの有害物質に汚染された農地や液状化現象の発生した農地を復活させるには莫大な費用と時間がかかります。
 そこで、被災地岩手県陸前高田市では、津波の塩害で不毛の地となった農地で土を使わずに農業を始めることが可能な技術、アイメック農法でのトマト栽培を開始しました。アイメック農法とは、今日深刻な問題となっている食の安全性、水不足、土壌汚染等の問題を対処するため開発されたハイドロゲルでできた薄いフイルムの上で植物が育つ世界初のフイルム農法で、省資源、省コスト、省エネルギーで持続的な農業を目指しています。フイルムには無数のナノサイズの穴が開いており、水と養分だけを通し農薬を使わなくてもバクテリアや細菌、ウイルスによる汚染を防ぐことができるため、安全な作物をつくることができます。アイメック(フイルム農法)は2009年に国内で初めてトマト生産に導入され、アイメックで育ったトマトは食味、香りも良く、糖度や栄養価(リコピン、アミノ酸やギャバ等)が非常に高いため、他の農法で作られた野菜と比較しておよそ3倍の取引価格で販売されていて高評価を得ているものです。初期投資額は水耕栽培に必要な大量の養液の循環及び殺菌設備などが必要でないため、水耕栽培と比べ大幅に安くなり、また、水、肥料、電気、重油、労務費等が大幅に軽減されます。
 まさにこの農法は、陸前高田市の被災地にとって救世主になっていました。アイメック畑で7種類のトマトを栽培しているという太田さんは、「非常に向いている、被災地向けの農法」、「この辺はヘドロや瓦礫でいっぱいだった、こんなハウスができるとは思っていなかった」と語っています。被災地の復興が一日でも早く進む事を祈っています。

                   理事長 中根義雄




 
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