社会福祉法人 調布市社会福祉事業団 なごみ そよかぜ すまいる まなびや ちょうふだぞう すこやか すてっぷ あゆみ


2月理事長便り
2016/2/1(月)

 2月に入りました。昨日(31日)の日曜日は厳しい寒さも少し和らぎましたが、今日は日差しも弱く寒い日に戻ってしまいました。冷え込む日が続き、空気も乾燥しています。インフルエンザや風邪が流行りだしました。当たり前のことですが、何より風邪をひかないことが最善策です。睡眠不足・ストレス・過度の疲労の人ほど風邪をひきやすい傾向にあるといえます。ウイルスが空気中に潜むこの季節、日常から体に良いものを取り入れ、上手にストレスを解消し、よく眠る習慣をつけましょう。
 先月、成人の日の11日(月)は、全国各地で趣向を凝らした成人式が行われました。およそ121万人が、大人の仲間入りを果たした門出の日となりました。調布市でも新成人たちの門出を祝って平成28年成人式が行われました。今年、調布市の成人対象者は2,104人だそうです。調布市では、毎年、新成人自身に自分たちの手で成人式の企画・運営を行っていただこうということで、成人式実行委員会を立ち上げ委員を募集して皆さんが時間をかけて話し合い、いろいろなアイデアを生かして、思い出に残る成人式を企画して実施しています。今年も大変落ち着いた雰囲気の中で式典が行われ、第2部のアトラクションも調布の街を映像で紹介、ケラケラのミニライブ等もあり好評だったそうです。
 東日本大震災の被災地でも、多くの若者たちが成人の日を迎えました。震災当時、中学3年生だった新成人は、高校進学直前に震災に遭い同級生を亡くした人も少なくありません。宮城県気仙沼市で開かれた成人式、出席者の一人、Kさんは、東日本大震災直後の3月22日、気仙沼市の階上(はしかみ)中学校の卒業式で卒業生を代表して答辞を述べて高校に進学した。声を詰まらせながらも、苦しい胸の内を必死で訴え、涙をこらえて力強く誓った言葉、悲しみを乗り越えようというメッセージは、多くの人に感動を与え大きな反響を呼びました。この卒業式答辞全文は、「文部科学白書」にも掲載され極めて異例なことに注目が集まりました。震災から間もなく5年です。5年前のあの日、Kさんは、卒業式の直前に同級生3人を津波で失いました。震災直後の避難所となっていた体育館で手伝いをしながら、3人の安否がわからないまま迎えた卒業式。はじめは受け入れることができなかったという。全員が揃って卒業式を迎えたかったというのが本音でした。悩んだ末、代表して答辞を読むことを決断。震災を経験した自分が将来、何をすべきか、進学した高等専門学校でずっと考え続けてきました。そして専門学校卒業後、港などの地盤改良を行う会社に就職、「これなら胸を張って、社会に貢献できていると自分が思える業種だと思ったので。(卒業式の答辞で)よき社会人になりますとあるとおり、とうとうその時がきた。」と感じたそうです。被災地の新成人たちは、本当にいろいろなことを感じる多感な時期に重い経験をしています。Kさんは、亡くなった同級生と一緒に成人式を迎えたかった。震災とか、困難を乗り越え、同級生への思いを胸に、各々の目標に向かって力強く歩んでいく決意をもった成人式でした。成人を迎えた皆さんには、自らの可能性を信じ、人生を切り拓いていかれるようますますのご活躍を祈念いたします。新成人の皆さんおめでとうございます。
 昨今、児童虐待事件のニュースが後を絶ちません。痛ましい虐待が報道されると憤りとやりきれない思いが交錯します。なぜ、このような事件が後を絶たないのだろうか悲しい事件が続きます。ことばも話せない乳幼児や子どもは母親や家族に頼らずして生きる術はありません。必死で生きようともがいている無力な子どもから「心身の疲れを癒せる物理的な居場所(家庭)」を奪うだけでなく、「精神的な安全などの基点となる家族関係」をも奪う行為は生命と身体の安全を脅かし、その後の子どもの精神発達過程や対人関係の能力に好ましくない影響を及ぼす危険が高い。児童虐待という家庭内の問題や子どもの人権侵害に対する関心は高まってきてはいますが、親を取り巻く社会全体が「虐待の兆候を見逃さない・近隣の子どもの様子に一定の関心を持つ・子育てをしやすい周辺環境や目的を具体化していくなど工夫をする」等々意識を持つことが必要になってきていると感じます。家庭の外にいる地域の方や関係機関等外部からは、兆候を発見することが難しい、「平穏な市民生活と私的領域の維持」という観点から、家庭のプライバシーを守ったり、警察の民事不介入の原則を逸脱しないことは大切なことでもありますが、少しおせっかいに思えても、子どもの生活状況や身体・表情に、いつもと違った大きな異状があるときには、関係者や地域住民の方が積極的に声をかけてみることで、それ以上の虐待の悪化を抑制できるかもしれない。見て見ぬふりをしていては本質的な解決にならないばかりか、事態を深刻にしてしまうことも考えられと思います。
 調布市では、子どもを守ることを第一に考えつつ、虐待が起こっている家庭を支援の必要な家庭と捉え、虐待に気づき、相談や通報をすることを支援の第一歩と考えています。そこから、専門機関・関係機関・地域の対応などが始まることになります。当社会福祉事業団の子ども家庭支援センターすこやかでは、児童相談所と連携して虐待の問題にも積極的に対応しています。主な機能としては、予防・相談・通報への対応・ケースの見守り・情報の収集・関係会議の開催などがあり、関係機関との緊密な連携を保持し、問題の解決に努めています。子ども家庭総合相談事業では、子どもや保護者等からの様々な相談に、心理職、看護職等の専門相談員が面接、電話、メール等で応じ、関係機関と連携し適切な解決に努めています。また、児童虐待防止センター事業でも、児童虐待に関する相談に対応しており必要に応じて関係機関と連携し、児童虐待の防止、早期発見、緊急対応に努めています。引き続き、すこやかは要保護児童等の適切な保護、支援を行う地域ネットワークの中核機関として、地域や小・中学校、幼稚園、保育園等を通じて関係者が情報を共有しお互いが連携し、子どもとその家庭を支えていくよう対応してまいります。
 広く一般の人々が子どもへの虐待を社会問題と捉えて、虐待の起こらない社会をつくっていこうというメッセージを伝える「オレンジリボン運動」は、2004年に栃木県で起きた子どもの虐待死事件をきっかけに、県内の市民グループが始めた運動で、徐々に全国的に広がってきています。虐待や虐待死を未然に防ぐためには、地域や関係機関の連携と啓発活動も重要な課題と考えています。
 明日は節分(冬と春の境目)、明後日4日は立春、暦の上では立春から春の始まり、初めて春の気配がする日だそうですが・・・。厳密には立春は2月4日の一日だけではなく、次の節気の雨水までの期間を指すそうで、今年の雨水は2月19日ですので、その前日、2月18日までの期間が立春となるそうです。わが家の小さな庭には季節を間違えた桜草のピンクの花やたつなみ草のあおい花がいくつか咲いています。鉢植えの山芍薬や福寿草も土の中から芽を出しています。その他にも地面の下では着々と準備が進められていて、庭の所々でかわいらしい芽を発見するのも楽しみです。花の無いこの時期は、南天や千両、万両などの赤い実が目立ちますが、南天の実はいつのまにかヒヨドリにすっかり食べつくされてしまいました。スズメ、メジロ、ヒヨドリなどいろいろな鳥が飛んできてくれますが、先日、聖蹟桜ヶ丘に向かって歩いていると、ハクセキレイが怖がらずに人懐っこく私の前をチョコチョコと尾を上下に振りながら忙しそうに歩き回っています。街中でもよく見かける鳥ですが、かなり接近しても逃げず、決して遠くに行くわけでもなく、だからといってじっと止まっていることも少なく、つい気になってしまいます。
 前から警戒心の少ないこの鳥が気になっていたのですが、コンクリートの護岸や道路や駐車場など人や車が行き交う街中でもよく見かけます。ハクセキレイはもともと、北海道や東北で繁殖する鳥だったそうですが、20世紀後半頃から南下を始め、現在では近畿地方や西日本でも繁殖するようになっているようです。昔は、セキレイは清流の鳥というイメージがありました。自然破壊が進むなかでこうした環境に順応して逞しく生きる野鳥と対照的に順応できない多くの野鳥が殆どです。私たちは、もう少し自然環境の保全と育成に関心をもち、街を取り囲む自然環境を積極的に保全して環境への負荷が軽減できるよう努めていかなければと思いながら、ピピピ、ピピピと鳴き声を発して飛んでいくハクセキレイの姿を追いかけていました。

                理事長 中根義雄




 
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