社会福祉法人 調布市社会福祉事業団 なごみ そよかぜ すまいる まなびや ちょうふだぞう すこやか すてっぷ あゆみ


4月理事長便り
2016/4/1(金)

 4月に入りました。平成28年度の始まりです。
 年度初めの仕事は辞令交付式から始まりました。新規採用職員、昇任或いは異動等で辞令を交付された職員は、新たな職場への仕事始めですので緊張と責任の重さを感じていることがうかがえます。それぞれ職場に早く慣れ利用者に寄り添った支援ができることを期待しています。4月は入学、入園、入社等々新たな出発と出会いの月でもあります。気候も良くなり色とりどりの花が咲き始める季節、満開の桜につつまれるように施設が見えると、仕事の疲れも忘れるほどの美しさです。これからが見頃です。ウォーキングを兼ねて味スタ周辺を散策してみてはいかがですか。桜の花のトンネルもみごとなスポットとして自慢のできる今が一年の中で最もきれいな季節かもしれません。
 先月、3月25日に調布市社会福祉事業団評議員会・理事会が開催されました。審議された案件は、平成27年度補正予算(案)、平成28年度事業計画(案)、平成28年度当初予算(案)の他、事業団定款の変更、組織規則、給与規程の一部改正(案)等々、審議事項13件とその他報告事項として諸規程の制定等の改正等7件の報告が行われ、何れも承認されました。
 事業団の平成28年度の総予算額は18億7千3百万円余の予算規模となり、前年度より7千9百万円余の増額となりました。平成28年度の特徴ですが、新たな事業として子育て支援事業において調布市からかしわの学童クラブ事業を新たに受託し、本日4月1日より事業を開始いたしました。障害福祉の分野では、ちょうふだぞう・すまいる分室の移転に取り組むほか、重度重複障害者グループホーム第2みつばち(仮称)の設置、建物の老朽化による知的障害者を対象としたグループホーム「フレンズ」の移転に取り組みます。当法人の事業の両輪は、障害福祉と子育て支援事業です。社会福祉事業の主たる担い手として様々なニーズに応え、信頼され安心して利用できる施設として適正かつ円滑に事業団運営を行ってまいります。皆様のご理解とご協力を宜しくお願い申し上げます。
 平成27年に実施された国勢調査の結果が2月に発表されました。人口は調査始まって以来、初の減少となり、東京都への一極集中が進んでいることがわかる結果となりました。
 これまで平均寿命の延びが少子化を覆い隠していましたが、日本創生会議の試算では、2040年にかけて794の市町村で高齢者が減ると試算しています。これまで地方の経済は1/3は年金、1/3が税金・公共事業で作り出した仕事と言われています。高齢者の消費をあてにしていた地域の年金経済の分野も期待できなくなり、若者が仕事を求めて都会に流出し地域の人口減少スピードが加速する悪循環に陥ると予測されています。
 現在、地方の若者の雇用の多くは、医療・介護分野が支えているといわれています。地方では高齢化率は高いのですが、高齢者人口は減り始めており介護施設などでは職員の働く場所が徐々に無くなりつつあります。一方で、東京圏では医療や介護職の人手不足が慢性化していて、同じ職種で働いてきた若者達にとっては転職がしやすい状況です。
 東京圏の高齢者の増は地方の若者を呼び寄せ、地方ではさらなる少子化を招いています。2013年の人口動態統計によれば出生率は改善傾向にあるものの、出生数は過去最低を更新しました。出生率が上昇したのに、出生数が減るというねじれ現象が起こっています。東京一極集中は地方自治体を「消滅」させるだけでなく、集まった若者の出生率を下げ、日本全体の人口減少のスピードを加速させる傾向に作用しているといわれています。少子化対策に全力を挙げ、人口減少のペースを緩やかにするほかないようです。
 東日本大震災から5年が経ちました。3月11日を被災地で迎えた方もいれば避難先で過ごした人もいました。東日本大震災・福島第1原発事故で被害の大きかった岩手、宮城、福島3県の沿岸部を中心とした42市町村のうち、36市町村では、この5年間で15万6千人余の人口が減少したことわかりました。3県で減少率が20%を超えたのは13町村。福島第1原発事故で全域に避難指示が出て、いずれも減少率100%だった4町(浪江・双葉・大熊・富岡)を含む福島県の9町村、宮城県3町(女川・南三陸・山元)、岩手県1町(大槌)。増えたのは宮城県では仙台市と隣接の利府町、名取市、近隣の岩沼市で、「便利で仕事が多い都市部に、被災した沿岸部から人口が流れ込んでいる」と県の担当者は分析しています。市町村間の移動を調べた結果でも、沿岸部から都市部、内陸部へと人口が移動していることが明らかになりました。いま、我が国が直面している人口減少や高齢化などの課題は、既に被災地がその問題の深刻さを先進的に明らかにしつつあります。
 復興事業は、インフラ、施設といったハード面は復興に向かっていますが、見えてきたのは人口の流出にどう対応するのか、どのようなまちづくりを目指すのかが課題となっています。いまだに仮設住まいが続く人々や、仕事や生活のためにやむなく故郷を離れた人々がいる状況は、震災から5年ではなく、震災が始まってから5年と捉えるべきという人もいます。「震災は今も続き、人々の心痛はあまりある。人々は悲しみや痛みと向き合いながら自問した。総じて、マスメディアの報道は復興の遅れの指摘やお涙ちょうだいが多すぎる。人口流出や孤独死といった事実はあるけれど、暗い報道ばかりして欲しくない。被災者は辛くとも、強く明るく生きている。被災地では今までにない新しい動きも見られる。暗い現実よりも、小さな希望や新しい芽を見いだしてほしい。」と宮城県大槌町で大槌新聞を無料で発行している菊池さんは訴えています。 
 休日、家の中で過ごすとスポーツやドキュメンタリーのテレビ番組をつい長時間「ながら見」をしてしまいます。私の楽しみにしている番組のひとつがBSの「小さな村の物語・イタリア」です。といっても放映時間がなかなかスケジュールに合わず見るチャンスは再放送など時々しかないのですが、前から楽しみに見ている番組のひとつです。山間の村や海に面した小さな漁村の時もあります。毎回、複数の家族が登場して、その家族がたどってきた歴史や現在の状況などを、自然の風景を織り交ぜながら丁寧に見せてくれます。名もない小さな村で決して裕福でないけれど、のんびりとした雰囲気の中で、毎日何気ないつつましい日常の生活、心豊かに生きる人たち。どこまでも美しい自然の風景・・・見る者の心に響き、見終った後もその美しい光景、人々の笑顔が心にながく残る安らぐひと時です。村を出て都会で暮らす若い人たちが都会の生活になじめず村に帰ってきて親の仕事を受け継いだり、職人として身につけてきた仕事を始めたり、生まれ育った村で一生過ごしてきた老人がいたり、村人たちの二家族にスポットをあてられ、それぞれの人生や暮らしを淡々としたナレーションや語り口の中にも優しさがあふれる表現があり、登場人物を大切に思う心が伝わってきます。歴史や伝統・文化を守りながらありのままの姿で暮らす村人、小さな村で生きる人たちを通して、何か忘れかけていたものを思い出し、たくさんのことを学ばせてもらっています。
                     理事長 中根義雄




 
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