社会福祉法人 調布市社会福祉事業団 なごみ そよかぜ すまいる まなびや ちょうふだぞう すこやか すてっぷ あゆみ


10月理事長便り
2016/10/3(月)

 今年に入って半年間に虐待の疑いがあるとして警察が児童相談所に通告した子どもは全国で2万4千人を超え、これまでで最も多くなったと報じられました。このうち最も多かったのは心理的虐待の1万6669人で68%を占め、次いで身体的虐待の5025人で20.5%でした。性的虐待、育児放棄(ネグレクト)を加えた4類型すべてで前年同期より増え、特に心理的虐待は約5割増となっています。
 このことは、虐待に対する意識が高まり、一般市民から警察等への通報件数が増えたことや子どもの面前でDXが行われている場合は、心理的虐待として捉えるという統計の数値がここ数年変わってきていることも増加傾向の一因があるものと考えますが、それにしてもショッキングな結果です。いつの時代でも子どもは愛おしくてかけがいのない存在であるはずなのにどこかで歯車が軋んでしまったのでしょうか。
 児童虐待が起こる背景にはさまざまな要因があると指摘されています。育児不安、保護者自身が虐待経験を持っている、望まない妊娠など心身の健康問題、貧困や不安定な家庭環境や家族環境、地域からの孤立など養育環境のリスク要因等により起こると考えられます。さまざまな要因が重なるが故に事態は深刻です。そして、今日もどこかで心身の傷を受けている子どもたちのシグナルが発信されているかと思うとただ手をこまねいているわけにはいきません。
 調布市子ども家庭支援センター「すこやか」では児童虐待に関する相談に応じるとともに、必要に応じて関係機関と連携し、児童虐待の防止、早期発見、緊急対応に取り組んでいます。
また、市の妊産婦健康診査や乳幼児健康診査、「こんにちは赤ちゃん訪問事業」との緊密な連携に努めています。さらに、市町村や児童相談所、教育委員会、民生児童委員、警察など幅広い関係機関が参画する要保護児童対策地域協議会等のネットワークを活用し相互に連携しながら多面的に事例に対応しています。
 一方、虐待は決して特異なことではなくいつでもどこでも起こり得ます。虐待している保護者を孤立させることなく子どもの生命や人権を守り、心身ともに健全に成長できるように地域での見守りや支援も大事なことです。子育てに関する負担感や不安感の軽減を図りながら、妊産婦や親子に対して今後も積極的に育児支援を行っていきます。 
 平成28年5月27日に児童福祉法が改正され、6月3日に公布されました。改正後の児童福祉法では、児童虐待について発生予防から自立支援まで一連の対策の更なる強化等を図るため児童福祉法の理念の明確化、児童虐待の発生予防、児童虐待発生時の迅速・的確な対応、被虐待児童への自立支援などさまざまな措置が講じられることになりました。すべての子どもたちが安心して笑顔で毎日が送れますよう取り組みを重ねていきたいと思います。

 季節の移ろいは早いものです。金木犀の甘い香りに誘われてウォーキングも心弾みます。
今年も、地域の方々や関係者の皆様との交流を深める場として、10月15日(土)に「すずかけフェスタ2016」が知的障害者援護施設(なごみ・そよかぜ・すまいる)で開催されます。皆様どうぞご一緒にご参加いただきますよう、お待ちしております。

                      理事長 小林 一三






 
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