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当事業団は,社会福祉法人として障害福祉と子育て支援を両輪に据え,地域に根ざした事業を展開してまいりました。その専門性と安定的な運営により,地域の皆さまから厚い信頼をいただいております。

こうした信頼を未来へとつないでいくためには,経営基盤の充実はもとより,提供する福祉サービスの質を絶えず高めていくことが何よりも重要です。そのため当事業団では,職員一人ひとりが社会人として,また法人の一員として成長し続けられるよう,多様な研修の機会を設けています。これらの研修は,事業所ごとに必要なテーマを設け実施するとともに,法人全体として必要な人材育成研修などは,職員からなる研修委員会で話し合い,講師の派遣なども含め企画し実施しています。

具体的には,新入職員研修をはじめ,リーダー層や管理職を対象とした人材育成研修,人事評価や接遇,ハラスメント防止,アサーティブなチームづくりなど,組織力の向上と働きやすい職場環境づくりを目的とした研修を重ねています。さらに,障害福祉・子育て支援の各分野においても,虐待防止,医療的ケア,食事や移動の支援,児童発達理解など,実践力を磨くための専門的な研修に取り組んでいます。

また,リスクマネジメントや感染予防,救命救急講習など,全職員が共通して身につけるべき基礎研修にも注力しています。加えて,「ふくし未来塾」への参加など,地域社会との共生や公益的な視点を育む研修を通じて,他法人職員との交流や相互理解の機会を積極的に広げています。

ふくし未来塾は全国社会福祉協議会が主催し,社会福祉の制度の枠を超え地域コミュニティにおいて共生社会の創造ならびに,多様性と包摂性のある社会づくりをけん引する社会福祉法人のトップリーダー・経営人財を育成することを目的としています。塾生は全国の社会福祉法人の役員や職員の中からその業務経験や志望動機をもとに選考され,1年間の定期的な動画講義やオンラインゼミや複数回の合宿での対話型演習を通じて,法人の理念や目指す地域の姿を再認識したうえで福祉を通じて実現したい思いを言語化していきます。先日,1年間の受講を終了した職員から報告を受けるとともに,10月10日に行われた第1期から第4期生の実践を紹介する「ふくし未来塾プレゼンテーション」の様子をユーチューブで拝見しました。職員は,受講を通じて感じたこととして,「今までは内向きに仕事をしてきた。全国には地域に向けて面白い取り組みや魅力ある人が沢山いることを知ることができた。そのことで自分自身が地域を見直すきっかけにもなった。地域で分かれている分野が有機的につながり,職員だけでなく地域の住民もつながりながら様々なアイディアがでてくるワクワクした仕掛けづくりを社会福祉法人が行っていくことが魅力的な地域になるのではないかと思っている」。また,「一つの発想であったものが,人との対話を通じて化学反応を起こし,課題が明確になり,考えも深化して,夢物語が必要でやらなければならないことに変化した」とも話していました。その具体的な内容について今回は触れませんが,1年間の塾での活動により,自分自身の仕事の課題がはっきりと見え,その解決に向けた取組みも具体的となってきています。この成果を,是非,当法人の今後の事業運営はもとより地域の福祉活動のさらなる充実に繋げてもらいたいと思います。本年度も第5期生として本事業団の職員が受講していていますので,その成果もとても楽しみにしています。

これらの取り組みは,職員一人ひとりのスキルアップを促すだけでなく,法人全体としての組織力の強化,そして福祉の仕事の魅力向上にもつながっています。さらに,地域との関わりを通じて,地域福祉の充実にも寄与するものであります。

今後とも,法人としては,学び続ける姿勢を大切にしながら,地域社会の信頼に応え,誰もが安心して暮らせる共生社会の実現に向けて取り組んでまいります。