先月28日の理事会において,「調布基地跡地施設(仮称)こもれび」の整備に向けた入札手続きが承認され,本年中に着工する運びとなりました。本施設は,当事業団が「調布基地跡地福祉施設(仮称)整備に係る基本プラン(改定版)」(令和4年6月に三鷹市が策定)に基づき,三鷹市,府中市,調布市の3市の支援を受けて整備するものです。昨年4月に,東京都の「都有地活用による地域の福祉インフラ整備事業」に応募し,運営事業者として選定されました。
この施設は,重度の知的障害者を対象とし,生活介護事業(通所)と短期入所事業(ショートステイ)を行う福祉施設となります。具体的には,3市から支援を受けている重い知的障害者を対象とした通所事業や知的障害者を対象としたショートステイを利用希望者に提供する予定です。

 

調布基地跡地における社会福祉施設整備の歴史を振り返りますと,昭和49年に三鷹市,府中市,調布市の市長,議長が集い,「調布基地跡地対策連絡協議会(六者協)」を設立し,基地跡地の有効活用についての協議が始まりました。平成2年には,3市間で社会福祉施設用地19,100㎡の土地利用が合意され,特別養護老人ホーム,知的障害者援護施設などの福祉施設を整備する方針が決定されました。その後,順次施設整備が進み,今回,当事業団が整備する施設と隣接する土地に社会福祉法人東京緑新会が設置する重症心身障害者通所,短期入所施設の整備で当初の利用計画が成就することになります。

 

計画検討から50年が経過する中で,社会の変化と福祉制度の進化に対応した施設の整備が進められてきました。先人の皆さんの将来を見据えた半世紀にわたる議論と,それを実現するための絶え間ないご努力があったからこそ,現在の複雑な福祉ニーズに応える施設が築かれてきました。改めて深い敬意と感謝を捧げます。

今後は,竣工までの万全な監理とともに,当事業団の理念に基づき利用者の立場に立った運営を3市と協力して推進してまいりたいと考えています。

 

理事長 伊藤栄敏