当事業団は、地域の福祉ニーズに応えるべく事業拡大を進めており、本年4月には新たに2か所の学童クラブと児童館の運営を受託いたしました。来年度には、さらに1か所の児童館の受託に加え、調布市基地跡地福祉施設「(仮称)こもれび」の運営を開始する予定であり、法人として大きな節目を迎えようとしています。こうした急速な事業拡大に伴い、人材確保は喫緊の課題であり、職員による広報委員会が中心となって、法人案内・採用案内の刷新をはじめとする広報活動の強化に力を注いできました。その積み重ねが実を結び、本年の採用試験では応募者数が大きく伸長するなど、確かな成果があらわれております。
このたび、さらに広報の質を高め法人としての魅力をより明確に発信していくため、当事業団として初めての広報誌「すずかけ」を創刊する運びとなりました。「すずかけ」は当事業団を象徴する樹であり、その大きな葉のように、多くの皆様との温かい交流と安心で健やかな地域社会の実現を願い名付けたものです。企画から取材、編集、誌面づくりに至るまで、職員が日々の業務の合間を縫いながら丁寧に積み上げてくれたものであり、その“手作りの力”には、心からの敬意と感謝をする次第です。温かさと誠実さに満ちた職員の仕事ぶりこそ、当法人の最大の強みであります。
表紙を飾るイラストは、援護施設利用者である木村隆さんが描いた職員の似顔絵です。その筆致は職員一人ひとりの個性を見事にとらえ、まるで語りかけてくるような生命力があります。誌面では、安心・安全なパンづくりに励む援護施設「すまいる」、昨年度開設した「ワークライフカレッジすとっく」の就労支援などの各事業、さらに重度重複障害の方のための通所施設「調布市ディセンターまなびや国領」など、利用者の皆さんと職員の一体となった生き生きとした活動が紹介されています。また、学童クラブを利用する子どもたちが描いた4コマ漫画も掲載され、手作りならではの温もりと当事業団らしい親しみやすさが誌面全体に溢れています。
広報誌の発行は、私たちの福祉実践を地域の皆さまに分かりやすく届け、法人の理念や取り組みの価値を共有するための重要な広報戦略の柱です。現場の創意工夫、職員の情熱、そして利用者の豊かな日常が誌面として形になることは、法人の魅力度向上に直結し、地域の信頼をさらに厚いものへと導くことでしょう。また、広報活動は法人の透明性を高めるとともに、職員が自らの仕事を見つめ直す契機ともなり、組織全体の活力向上にもつながります。
今回の創刊号は、当法人が広報力を強化し、地域に開かれた福祉法人としてさらなる飛躍を目指す大きな一歩であると確信しています。今後も定期発行と内容の充実を図りながら、地域の皆さまに親しまれ、選ばれる法人づくりを一層推進してまいります。広報委員会の皆さんには忙しい中ではありますが引き続き精力的な取り組みを期待するとともに、全職員が心を一つにして法人の魅力発信に尽力して参ります。
