令和8年5月理事長便り←こちらからも内容ご確認いただけます!
本年4月、当事業団は新たに2つの事業所の運営を開始するとともに、19名の新入職員を迎え、組織として新たな一歩を踏み出しました。各事業所には新しい元気な仲間が加わり、現場にはこれまでにない新たな風が吹き込まれているのではないでしょうか。
福祉の現場を取り巻く人材環境は、少子高齢化の進展に伴い年々厳しさを増しています。とりわけ介護・障害福祉の分野では慢性的な人材不足が続き、人材の確保は容易ではない状況です。実際に、介護分野の有効求人倍率は全産業平均を上回っており、その厳しさがうかがえます。
一方で、全国的に離職率は全体として改善の傾向も見られるものの、産業ごとの差は依然として大きく、働きやすさの確保が人材定着の鍵を握っています。2022年の厚生労働省の「介護労働実態調査」では、介護職の離職率は約14%台とされ、職場環境や人間関係、勤務体制などが主な要因とされています。
こうした中、当事業団ではこれまでにもお知らせしているとおり、離職率は約3%(2023年4月時点)と比較的低い水準を維持しています。これは、有給休暇を取得しやすい環境づくりや資格取得の支援など、職員が安心して働き続けられる環境づくりに継続して取り組んできた成果であると考えています。また、日々の業務においても、無理なく力を発揮できるよう、働き方の工夫や職員同士の支え合いを大切にしてきました。
さらに本年3月には、職員の企画により、職員のご家族を職場にお招きする「Visit Day 2025」を初めて実施しました。会場では、一輪車やけん玉、こま、織物などを体験できるコーナーが設けられたほか、「すまいるパン」の販売も行われ、ご家族で楽しいひとときを過ごしていただきました。職員にとっても、自らの仕事の意義を改めて感じる機会となり、会場には終始和やかな雰囲気が広がっていました。職員同士の新たな交流も生まれるなど、温かみのある時間となりました。参加した子どもたちが福祉に関心を持ち、将来この分野に関わってくれることがあれば、これほどうれしいことはありません。このような取組は、職員の定着を支える大切な要素の一つであると実感しています。
今後の人材確保においては、「選ばれる職場」であることが一層重要になります。そのためには、処遇面の整備にとどまらず、働きがいと働きやすさの両立を図ることが不可欠です。新人職員が安心して成長できる育成体制の充実、中堅職員が意欲を持ってキャリアを描ける仕組みづくり、そしてベテラン職員が経験を活かしながら長く活躍できる環境整備に、引き続き取り組んでまいります。
福祉の仕事は、人と人との関わりの中で成り立つ、かけがえのない営みです。職員が安心して働ける環境があってこそ、利用者一人ひとりに寄り添った質の高い支援が実現されます。当法人はこれからも職員を大切にする組織であり続け、その力を結集しながら、地域福祉の向上に貢献してまいります。
伊藤 栄敏
